中川先生
算数が大嫌いだった子供も、スイッチが入ると急に伸びます
この塾で教え始めてかれこれ20年たちますが、
現在は中学校2年から高校3年までの数学を指導しています。
数学が苦手という子は、小学校時代にレベルの高い
受験算数で苦労をさせられ、プライドが
相当傷ついている生徒が多いようです。
そういう子供は中学・高校になっても、数学に対する
トラウマがあり、最初のうちはかなり緊張をしています。
ところが、受験算数と初歩からの数学はまったく別物で、
算数が嫌いだった子も、数学のシンプルさを知ると一気に好きになっていきます。
小学校時代に鍛えられた計算力や数学的な土台が、ここで生きてくるわけです。
そういう時期を見極めて、個別指導でうまくスイッチをいれてやると、
小学校自分にしてきた数学的訓練がうまく生きてきます。
学年が変わったり、先生が変わった瞬間に、急に伸び出す生徒がよくいますが、
要はスイッチが入るタイミングの問題なのです。
個人指導をしていて気づくのは、うっかりした初歩的ミスを繰り返す生徒が多い
ということです。文章問題の言葉を読み間違えたり、
+記号を×だと思い込んだり、最初にこうしたミスを犯すと、
せっかく時間をかけて解いた問題が全部ムダになってしまいます。
生徒たちが陥りやすいミスや失敗を把握して、本番のテストでは、そういうことを
未然に防ぐポイントやコツを体得させてあげるのも、私たちの大事な仕事です。
個人指導の良い点は、そういった個々人の性格やクセに合わせて授業を
進められる点です。私は常々、中高生といえども大人と同じようにストレスを
抱えて生活をしているのだし、せめてこの塾にいる時間だけは緊張感が
ないように、リラックスして勉強に集中できる状態にしてあげようと努めています。
親子ほど年齢は離れていますが、いつも明るく笑顔で接することを
大切にしています。子供たちにとっても、年齢の離れた大人と対等にじっくりと
話し合うことができる貴重な時間です。
ある意味それは、学校でも家庭でも友人関係でも体験できない、
コミュニケーションシーンだと思います。
当塾の社長もよくおっしゃいますが、「教育は子供との格闘」です。
そういう意味で私は、個人指導の90分間は常に、
私と生徒の真剣勝負の時間だと思っています。
お互いに興味を持って問題に取り組んでいると、両者の知的好奇心や探究心が
共鳴し合い、シンクロナイズしてくる瞬間があります。
そういう授業は、時間がたつのも忘れていますし、授業が終わったあとも
心地良い達成感が残ります。
これからもそんなふうに、
生徒と先生が面白く格闘できる授業ができたらと考えています。