Vol.15
これから大学受験を迎える君たちとその保護者にむけて
2.医学部受験に向けて
①医学部入試の現状
一方で、医学部入試はまったくの別物です。
先ほども言ったように受験人口減少の影響で、あらゆる学部が軒並み志願者を減らしている中、医学部だけは依然として志願者が多いままです。
一般的に医学部の競争率は3.0~5.0倍です。
しかし、地方国立大学の2023年度の競争率で5.0倍以上を倍率の高い方から一覧表にして見ると、表2のようになります。この数字は地元およびその周辺地域の生徒が大挙押し寄せた数ではありません。如何に医学部志願者が、入りやすい学校を求めて右往左往しているかが分かります。この動きを示すために、2022年度との対応を表の中に入れてあります。2023年度と2022年度の倍率の違いを見れば分かるように、隔年現象が見て取れます。昨年度倍率が低かったところに、受験生が集中しています。
(表2)
2022年度のように「共通テスト」の全体平均点が下がったとしても、医学部受験生であれば、センター試験と変わらず高得点が取れなければ合格は難しいと言わざるをえません。
最近の医学部は面接に時間をかけるため、第一段階選抜で通過予定人数を絞り込む傾向があり、「共通テスト」の点数はますます重要になっています。
少々残酷ですが、「共通テスト」が合格者と不合格者を分ける関所だと言えます。取り分け80%の壁が待ち受けます。
「共通テスト」で80%の壁を越えられると合格への道筋がかなり見えてきますが、78%~80%では2次試験の結果に相当負担がかかります。わずか3%程度の違いですが、900点満点では27点に当たります。これは数学の大問1問に相当します。
2次試験で27点より、「共通テスト」で7科目の中に27点を分散させる方がはるかに易しいわけです。