
Vol.17
これから大学受験を迎える君たちとその保護者にむけて
2.医学部受験に向けて
③医学部受験の心構え
今述べてきた模試は志望校の合否を占うものです。1回ごとの模試結果に舞い上がったり、諦めたりするために受験しているわけではありません。
主要な出版社や予備校が作成する模試は、出題者が最新の入試動向を踏まえて作った良問揃いの教材ですから、自分と真摯に向き合える唯一の機会なのです。
そうゆう意味で、模試の活用は医学部合格には欠かせないプロセスと言えます。冷静に結果を分析し、自分の弱点を把握したうえで、出題者の意図をしっかり汲み取りながら復習することが大切です。
保護者の弱気も厳禁です。直前まで伸びるわが子を信じることが、医学部入試を突破するための受験生と保護者が日ごろからもつべき心構えだと思います。
また、絶対に忘れてはいけないことが1つあります。
周りの他学部受験生が醸し出す空気に負けないことです。
医学部受験でも現役合格が増えているとはいえ、他学部に比べ依然として浪人が多いのも、それだけ難関であるという証拠です。医学部受験生が合格を勝ち取るには、主体的に勉強に向かっていく強い意志が必要です。
受験生の今の学力は入試当日の学力ではありません。今頑張らずに、いつ頑張るのか。夢はチャレンジしなければ掴めないものです。
また、保護者の方も受験生は入試直前まで伸びるので、第一志望を変えさせてはいけません。保護者の弱気は、生徒の学力伸長にとって大きなマイナスになります。
「わが子に苦労はさせたくない」と話す保護者は、実は自分が苦労したくない、不安に苛まれたくないだけではないでしょうか。
医師は、現役を引退するその日まで、絶えず多くの困難と向き合っていかなければいけない仕事人です。医学部受験はそのための第一歩。努力しさえすれば、あなたの「席」は、然るべき場所に必ず用意されています。
どうかあきらめないで頑張ってほしいと思います。